「こんにちはー!」

がらっ、と万事屋の玄関を開けて言う。

「いらっしゃいアルー!」

バタバタと奥から神楽ちゃんが走って突撃してくる。

って勢いついてるから!ぶ、ぶつかる!!

「神楽ちゃん、ストップぐふっ!!

どかっ、とお腹の辺りに抱きついてくる。いや、嬉しいんだけど、痛い!

「あ、さんいらっしゃ…っておわぁぁぁ!!

ちょっ、神楽ちゃん!さん苦しんでるから!!離れて離れて!」

「あ!ごめんヨ!」

「大丈夫ですか!?」

「う、うん、大丈夫…」

お腹をさすりつつ苦笑いで返す。

 

 

そういえば、今日は1人たりない。

「あれ、銀ちゃんは?」

「銀ちゃんなら朝からパチンコ行ったアル。

『今日は!今日はいけるきがするぞぉぉー!!』って言って出てったヨ」

「どうせすぐ落ち込んで帰ってくると思いますけど」

…すごい期待されてないね、銀ちゃん。

まぁ私も無理だと思ってるけど!ごめんね!

「…それで、悪いんですけど今から買い物行かなきゃいけないんで留守番頼めますか?」

「私も今から定春の散歩行かなきゃいけないネ。酢こんぶも切れそうアル」

「いいよいいよ、いってらっしゃい」

どっちが家の人間だろう、と思う会話だけどもう日常茶飯事になってるんだよね。

「行くヨ定春ぅー!」

「もうすぐへこんだ銀さんが帰ってくると思いますから…」

「うん、わかったよ」

そう言って手をふって2人を見送る。

銀ちゃん、へこんで…帰ってくるよね、きっと。

 

 

 

 

留守番は別にいいんだけど、やることがないんだよねー。

そう思いながらソファにごろりと横になる。

どーしようかな……。

…よし、へこんで帰ってくるだろう銀ちゃんへの励ましの言葉でも考えてよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっとうとうとしかけてきた頃。玄関から声が聞こえた。

「うぉーい!銀さん帰ったぞー!」

…なんか、テンション高くね?

ソファで寝転がったままでいると足音がどんどん近づいて、

びたっ、とちょうど背もたれの向こう側で止まった。

「……何してんの、ちゃん」

「あ、おかえり銀ちゃん…今留守番してたの」

「ただいまー…って留守番?神楽と新八は?」

「散歩と買い物」

うとうとしてた所為で頭がぼーっとしてる。

「チッなんだよ、今日は珍しく勝ったっつーのに」

「ふーん…」

…勝った?

今銀ちゃん勝ったって言った?

「えっ、嘘ォ!!

おもわずソファから飛び起きる。

…ひどくね?」

「だって!だっていつも負けて帰ってくるじゃん!!」

せっかく励ましの言葉考えてたのに!半分寝かかったけど。

「ちょっとは信用しろよ!…ったく、折角お前にも戦利品分けてやろーと思ったのに」

銀ちゃんはむすっ、と拗ねると向かい側のソファにどかっと座り込んだ。

「あ、えーと、ごめんね銀ちゃん…」

「……ふーん」

ふいっとそっぽを向く。…なんか可愛い。言ったら怒られるだろうけどね。

「ごめんね、ごめんね銀ちゃん、だって、あまりにもめずらしかったから!

ちゃん謝る気あるの!?」

ばんっとソファから立ち上がる銀ちゃん。

「…ご、ごめんね…」

「……っ!…あー…もういいよ。俺も意地はって悪かった」

すとん、ともう一度ソファに座って目線の位置を合わせる。

「っと…忘れるとこだった。ほら、戦利品」

がさがさと紙袋の中から目当てのものを探して私の目の前にひょいっと出す。

「ほら、に似合いそうだろ」

「…!マニキュア…!?」

目の前で揺れてるそれは、淡いピンク色のマニキュア。

濃すぎず、薄すぎず、ちょうどいい感じの色。

「…貰っちゃっていいの?」

「あったり前だろ。…ほら、手出せよ」

マニキュアを受け取ろうと手を出すと、ぐいっと手をひっぱられた。

「うわっ、えっ何!?」

「ふっふっふ。には特別に銀さんが塗ってあげますぅー」

いや、それはありがたい…けど、今、めっちゃ前につんのめってる状態なんですけど!

「ま、まって銀ちゃん、体制的に苦しいんだけど!」

「あー…しょうがねぇなぁ」

そう言って私の手を握ったまま立ち上がって、私の横に座る。

そうして横に並んだ状態で銀ちゃんは私の爪にピンク色をのせていった。

 

 

 

マニキュアを塗り終わった爪を見る。

「……」

悔しいくらい、塗りが綺麗なんですけど。

利き手で塗る方は自分でも綺麗にできるけど…なんかそれ以上に綺麗なのは何ゆえ?

ちゃーん。感想は?」

「あ、すっごく綺麗…です。っていうか塗るの上手だね…銀ちゃん」

上手い。悔しいくらいに。

「まぁ、ほら、銀さん器用だから」

「…塗りなれてるわけじゃなくて?」

「慣れてねぇよ。むしろ初めてだっつーの。

…嫉妬ですかなちゃん?」

「ちっ違うって!!」

にまにま笑いながら言われる。

むしろ嫉妬してるとしたら塗りの上手い銀ちゃんに、だ。

「照れなくてもいーんだぜ?」

そういいながら私の爪にちゅっ、と音を立ててキスする。

「言っただろ。には、特別に塗ってやるよって」

さっきとちがって銀ちゃんはにっこり笑って、私を押し倒す。

…あれ。…押し倒す?

「ちょ、待てェェェ!!何してんの銀ちゃん!?」

「ん?押し倒してる」

「何で!?」

「いや、よく考えたら今神楽も新八もいねーじゃん?…チャンス、だろ?」

ぐいっ、と私の顎を持ち上げて顔を近づける。

え、ちょ、まとうよ銀ちゃん!

「ぎ、銀ちゃんっ「ただいまアルー!」

「「・・・・・・・・」」

素晴らしいタイミングだね、神楽ちゃん。

「あ、銀ちゃん、帰ってたアル…か…」

呆然と突っ立つ神楽ちゃん。あ、しまった今の体制はまずいっ!!

あわてて銀ちゃんを突き飛ばそうとする前に、銀ちゃんはソファから飛んでった。

ぶふぉっ!!……かっ…かぐ、ら…!何すんだ…!!」

神楽ちゃんにとび蹴りをくらった銀ちゃんは床からぐぐっ、と起き上がって叫んだ。

「それはこっちの台詞ネ!に抱きついていいのは私だけアル!!」

…え、ツッコミはそこ?

「違うぞ…神楽!は俺のだ!」

だから、ツッコミはそこ?(早くかえってきて新八くん!)

 

何やら乱闘が始まりそうなのでこっそり非難することにしよう。

…ピンクのマニキュアを大切に握って。

 

 

  桃色ネイル

 

 

 

ちなみに2人は帰ってきた新八君に「誰が片付けると思ってるんだ!」って怒られてました。

私はさりげなく挨拶して帰りました。…逃げたわけじゃないよ!

 

 

 

 

 

 

あとがっきー

初夢でございます!1年の初めに見るやつではございませんよ!(わかってるよ

文章力ないのでぐだぐだな上に長いです。

そもそもパチンコの景品でマニキュアなんてあるのかは知りませんが…まぁ銀魂界なら

なんでもアリなんじゃないですかね(ぇ

ではでは、初夢小説読んでいただきありがとうございました!!

2007/07/24