ただいま商店街で神楽ちゃんとお買い物してきました。そして。

「じゃあ、1回どうぞ」

抽選くじ。というかほら、あのガラガラ回すやつ。と言っても私は荷物持ってて

手が空いてないから、神楽ちゃんに回してもらうことにした。

「神楽ちゃん、頑張れー!」

「了解ヨ!ほあちゃああああ!!!

ギュルン!!と何やら物凄い音を立ててくじの箱(っていうか回るとこ)が回転してる。凄い、なぁ。

やっと回転が弱まってきたとき、ころり、と玉が出た。

「…さ、3等でーす」

 

 

 

 

 

 

 

公園火会

 

 

 

 

 

 

「ただいまー」

私も神楽ちゃんも両手が塞がっていたので、バシンと足で戸をあけて入っていった。

(ちなみに開けたのは神楽ちゃん。しかも凄い勢いだった。)

「おかえりなさ…ってどうしたんですかその荷物

「くじで当たったネ」

「いや、でも、その量…」

そりゃそうだ。あの抽選くじの3等は花火セットだったんだけど、量が。

どう考えてもおかしいよね、っていうくらい。だって市販の花火セットが5セット分。

「…お前らー、それ近所のガキどもに売りさばけ。そして生活資金に…」

奥から出てきた銀ちゃんはチラッと花火を見て言う。

「嫌アル!折角だから今日の夜に公園でやるネ!姉も一緒にやろうヨ!」

「あ、え?私も?」

ちょっとぼーっとしてたからいきなり言われて驚く。それからくいっと手を引っ張られる。

「やろうヨ!どうせ銀ちゃんお祭につれてってくれないアルよ」

「やろっか!」

一週間後、くらいに大江戸夏祭りがある。けどきっと銀ちゃんは人ごみ嫌だーとか言って

連れて行ってくれないだろうし。公園で花火なんて久しぶりだし。

「銀ちゃんも一緒に…」

「めんどくせぇから行かないー」

「だよね」

 

 

 

 

 

 

ということで、夜。…とはいえ深夜じゃないよ!

「よーし!マッチ係もとい新八ィー!火ィつけるアルー!」

「何で僕が…?」

ほぼ強制的に連れてこられた新八君はがっくりしながらもマッチを擦って花火に火をつける。

キャッホーイ!って言って神楽ちゃんは一気に5本くらいの花火を持って暴れている。

うんうん、楽しそうで何より。

 

 

 

「ったく、公園火だるまにすんじゃねーぞー!」

「へ?」

後ろから聞きなれた声がした。

「…銀ちゃん、どうしたの?めんどくさがってたのに」

「いや、よく考えてみろ。今は夜だぞ、夜!」

「そりゃ見ればわかるよ」

「危ねぇだろうが!俺の大事なちゃんが変なヤローに襲われたらどーすんの!!」

がしっと私の手を握って言う。…神楽ちゃんがいれば大丈夫な気がするけど。

ついでに言うと私は銀ちゃんのモノになった覚えはない。…まぁ、でも、

「心配してくれてありがとうね。折角だから、やろうよ花火!」

「…しょーがねぇなー」

とは言いつつも、さっきよりなんか笑顔になってる。

アレ、もしかして実は花火やりたかったんじゃないのこの人。い、いじっぱりめ!

ー!火ィつけるからお前も花火持ってこーい!」

「はいはーい」

 

 

 

 

 

 

 

花火大会に行くことはあっても、公園で花火をするなんて久しぶりで。

あぁ、こんなに綺麗で楽しかったっけ、なんて思っちゃったりして。

 

とりあえず一気に10本くらい束で火をつけて遊んでる隣の人がうるさいです。

 

「ちょっ、ヤベー!これすげぇ豪華じゃね?豪華じゃね!?」

「あははは、綺麗だねー!でもちょっとうるさいよー」

花火はシュバァァァ!!!と物凄い音を立てている。その分綺麗なんだけどね。

 

 

「なぁ、

「ん?なぁに?」

おっと私の持ってた花火は1本だったからもう消えちゃった。

新しい花火を漁りつつ返事をする。

「夏祭り…一緒に行く、か?」

「…マジで?」

「折角だしなァ。それにの浴衣姿見たいし」

銀ちゃんのにまにま笑った顔が花火に照らされて、ちょっと見惚れた。

おかしいなぁ、いつもなら腹立つようなにまにま笑いなのに。なんで、今日はこんなに綺麗、なんだろう。

 

「…デートのお誘いのお返事は?」

「あっ、もちろん、行くっ!!」

ぎゅっと銀ちゃんの腰に抱きつく。

「おわっ、ちょ危ねぇぞ。まぁ胸当たってて嬉しいけど」

「天パをアフロにして欲しいわけ?」

「すいませんでしたー!!」

確かに危ないかな、と思って銀ちゃんから離れてさっき持ってきた花火に火をつける。

 

銀ちゃんは一本消えるたびに新しいのを追加してるから勢いは弱まらない。

延々と豪華花火を楽しんでいる。

「…祭じゃ人だらけで花火なんざじっくり見れないだろーから、今のうちに楽しんどけよ」

「うん、そーだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、そうか。普通の花火なのにこんなに綺麗で楽しいって思うのは

 

 

君と一緒だから

 

もしかしてその豪華花火は私のため?なんて自惚れたことは聞けないけどね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

銀さんの出番が最後の方しかなくてごめんなさい; あぁもう、捧げモノなのにグダグダ!

っていうか銀さんは花火10本も持ってるのに暑くないのかな(ぁ

うーん、ギャグ甘になってるか不安ですが…鳴海さんに捧げます!

改めて、相互リンクしてくださりありがとうございますv

2007/08/16

(掲載なさるときはあとがき消してOKですよー!)