突然だけど、私ね、銀さんが、大好きだったよ。

傍にいられるだけで、私は幸せだった。でも、今はあなたの傍にいるのが苦しいの。

 

 

 

今までなんともなかったのに、気付いてしまったから。

あなたのことが好きだと気付いてしまったから。

 

 

前に私はこう聞きました、「私がいなくなったら、悲しむ?」と。

あなたは言いました、「別に」と。

 

 

私は、銀ちゃん、じゃなくって、あなたが照れ屋なことは知ってました。

だから照れ隠しかな、と思ってその時は笑っていたんです。

けれど最近は私と目を合わせてくれませんよね。

だから、思ったんです。

きっと、いえ、絶対、あなたは私に振り向いてはくれない、と。

 

 

 

 

ごめんなさい、今頃こんなことを打ち明けて、あなたを傷つけるだけなのに。

ごめん、ごめんね、ぎんちゃん。

 

この気持ちが吹っ切れるまで、しばらく万事屋を出ようと思います。

いつかあなたへの気持ちが吹っ切れたら戻ろうかと思います。

 

 

泣かないために手紙にしたのに、なんか泣けてきて字見えなくなってきちゃったから

ここらへんで終わりにするね。それじゃあ、ばいばい。

 

 

万事屋は良い人ばっかりで、みんな、大好きでした。

どうか、私がいきなりいなくなることを、許してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

の部屋の机の上にあった手紙。

手紙の終わりの方が湿っているのはの涙か、それとも、俺の、涙か。

 

 

 

…あぁ、なんでちゃんと言ってやらなかったんだろう。

照れてる場合じゃなかったんだ。今更何もかも遅い。…ちくしょう。

 

間に合うだろうか。今から追いかけたら間に合うだろうか。

君を、を見つけられるだろうか。いやみつけなきゃ。そしてちゃんと言わなきゃ。

 

 

 

手紙を握り締めて万事屋を飛び出す。

今の俺の目が赤かろうと、目から水が流れてようと、気にしない。

早く伝えてやらないと。

 

 

 

 

 

 

 

本当は大好きだったんだよ。

 

(泣かせないと誓ったのに。手遅れ手遅れ。いや、まだ、間に合う、間に合わせてやる。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

両思いなのに悲恋なお話が好きでして(ぇ

その後の展開は皆様のご想像にお任せします。

2007/09/12