それは反則ですしい人











「いやあ本当休みの日が合ってよかったよ…。ごめん、なんか俺の仕事のせいでなかなか会えなくて」

「なーにを今更。それに忙しいのなら私もだし。おあいこ様」

「そう言ってくれるとうれしいよ。」

「ははは。あっすんませーん、焼酎水割りくだァーさい」





どんちゃんどんちゃん、と言えばいいのかワーワーギャーギャというのか、とりあえず騒がしいのが居酒屋。時間は11時だがそれなりに人気店であるこの店の席はなんと満席で、2人で静かに飲みに来ている人もいれば団体でベタに頭にネクタイを巻ながら騒ぐサラリーマン達もいる。(彼らが羽を伸ばせるのはこういう席ぐらいだからね)そして私も居酒屋にいた。久しぶりに取れた休み、しかもとっても忙しい彼と重なったと言うことで今日は外に食べに来ているのである。





「ちょっとまって。お前未成年だろ?すいまーーん今の焼酎水割りキャンセルで」

「えーといっても明日20才だよー」

「駄目。借りにも俺警察なんだから」

「自分で仮にもっていったら終わりだよ」

「まあその辺はおいといて。兎に角ッお酒はだめだよ」





明日誕生日。そう私は明日誕生日なのだが明日は都合が合わないから今日誕生日を祝ってくれるってこともあって此処に来ている。が、真面目な顔をして私を止める退は、本当に真面目なヤツだ。ムダに。いーじゃんよーう久々に会えたんだし、ちょっとぐらい無礼講じゃんと抵抗してみるがノーと言い張る彼。それでも私は諦めず退を無視して注文をする。






「すいませーん今の焼酎水割りキャンセルをキャンセルで」

「あ!!無視かコノヤロー!!すんまっせーん今の焼酎水割りキャンセルのキャンセルをキャンセルで!!」

「ちょっしつこいよ退!!すーーいませーーんいまの焼酎水割りキャンセルのキャンセルのキャンセルをキャンセルでーッ!!!」

「そっちこそ諦めなよ!すーんまっせええん今の焼酎水割りキャンセルのキャンセルのキャンセルのシャンセ…ぶあっ噛んだ」

「ふっふっふー。どうやらこの勝負私の勝ちのようね!」

「え!?これいつの間にそういう勝負になってたのォォォ!!?兎に角ダメってば!!」




腕を組んでそういう彼に私はため息を吐く。まあいいや、あきらめよう。逆に言えば明日になれば飲めるんだし。私が諦めたのが分かったのか退はニッコリとわらってなにやら注文をしていた。






「にしてもこんな居酒屋でごめんね。もっとちゃんとしたレストランとかにしようと思ったんだけど、もう予約いっぱいで」

「あーいいよいいよ。ホラッ愛はお金じゃないし。…けど指輪は期待してるけどさ」

「オーイサン。言ってることが矛盾してますよ」

「いや、ソレとコレは別って言うか。」





アハッとでも言うような無邪気な笑顔で笑うに指輪、いいの買わなきゃなあと山崎は苦笑い。少しずつ運ばれてきた料理をちょびちょび摘みながら2人の会話ははずむ。のんびり過ぎていく時間。周りの喧騒もどこか遠くに感じる。そこでポツリと山崎が呟いた。




「指輪……結婚かあ」

「退。…いっとくけど今更乗り換えようなんて許さないからね。私、結構退に惚れちゃってるから」

「え、

「ふふ。」

「ゴホン……えー…、俺も」

「あーーーーーーーーーッ!!!!」

「え!?何ィィ!!?」




普段あまりそういうことを言わないがそんなことを言うもんだから、思わず目を見開いて驚いてしまった。はくしゃりと眉を寄せて照れくさそうに笑っている。ああ、この笑顔。この笑顔が好きなんだ。それと同時に、守りたいと思う。しかし急に山崎の言葉を遮ってが大きな声を出しながらがたんと立ち上がる。急な行動に山崎は驚いておもわず一緒に大きな声を出してしまった。けどそんな声もうるさい居酒屋では大して目立つことはない。






「12時になった!よっしゃ私20歳…てぇことで!!すいませーーーん焼酎水割りくださーーーい!!」

…お前ってやつは…」

「あはっ。晴れて成人!これなら退も文句言わないでしょ」

「はー…好きなだけ飲めばいいさ」

「ふっふっふー。」




お酒をやっとのことで頼めたはさっきとは違う笑顔で喜んでいる。そんな彼女をみながら、さっき遮られた言葉はいわずとも伝わっていると信じて、嬉しそうな表情でお酒に口をつける彼女をみながら心の中で小さく呟いた。




(俺だってにベタ惚れですよーー…)




















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総悟(すいません愛故パソコンが勝手に変換を!笑)記念ということでっ!
退のギャグか甘…ということでしたので自分的には
両方交えたつもり、で、すが…やっぱ甘くねえェェェと叫んでしまいます。
ああ、甘夢なんてやっぱ私には無理なんだ。と痛感しました。
彼女の反則的な言葉と笑顔にノックアウトな退くんとバカップルを書きたかったんです。
今は反省しています。すいませんした。笑

そそそれではこんなヤツですがこれからどうぞよろしくお願いします!

20070901 いりあ

ありがとうございましたぁぁーー!!ちょ、やっべ、退かっわいい!(←
甘かったです、甘かったですよいりあちゃん!
焼酎だめ!言ってる退が可愛くてしかたがありません。
小説読みながら終始顔がにやけっぱなしです。
くそーぅ、私も退といりあちゃんにベタ惚れですよー!

ありがとうございましたァァ!!