日曜日。普通なら学校はお休みで、静まっている。…はずなのに。
「…なんで、いるの」
「ん?何でって…風紀委員会に決まってんだろ」
「ぐー」
「寝てんじゃねぇよ総悟」
そういえば、昨日退くんとミントン試合をしてたときに色々あったっけ。
えーと、たしか今日の9時から委員会なんだよね。うわ、あと10分で9時じゃん。
「ってか委員会って教室でやるわけ!?」
「他に場所がなかったんだよ。それより、は何しに来たんだよ」
「あ、ちょっと忘れ物を」
あたしの机は土方くんと沖田の真ん中。
沖田が起きると面倒なことになりそうだから起こさないように前を通り過ぎて自分の席に座る。
「えーっと…確かのこの辺に…っと…」
教科書が詰め込んである机を探って、目当てのものを見つける。
「お、あったあった………ひっくしゅっ!」
「何だ、風邪でも引いたのか?」
ぼーっと窓の外を見ていた土方くんが振り返ってそう言った。
「ううん、そうじゃなくて。あたし花粉症で…昨日一日中外にいたからちょっと、ね」
「へーぇ。一日中外で何やってたんですかィ」
「退くんとミント…って起きてたのかあんた!!」
突然会話に入ってきた沖田は、アイマスクを首に下げてごしごしと目をこすっていた。
「が、何でいるの、って言った時くらいから起きてやしたぜ」
「最初じゃん!それあたしがここに来て一番最初に言ったことじゃん!」
「おめーのうるせェ声で目が覚めちまったんでさァ」
ふああ、とあくびをしながら背筋をぐいっと伸ばす沖田。
「そりゃあ悪かったわねー…ひっくしゅっ!」
「…辛そうだな」
「うう、辛いよー…花粉症なめんなよ…!」
手で鼻を押さえながら土方くんの方を振り向く。
「…って!涙目になってるぞオイ!」
「うええー、うっそ。ついに目にきたかぁー」
そういえばさっきからむずむずして、目がかゆい。
「オイちょっとこっち向けィ」
「へ?ってちょ、いったい!!」
ぐいっと髪の毛を引っ張られて無理矢理沖田のほうを向かされる。
な、なんて奴…!
「髪引っ張るんじゃないわよこのばか!!」
「…なんか苛めたくなってきやした」
「はぁ!?ふ、ふざけんなー!!!」
べちんっと音を立てて沖田の手を叩き落として、持ってきた鞄に荷物を詰め込む。
「あたしはこれから帰って宿題しなきゃいけないの!じゃあねっ!」
だんだん鼻づまりが酷くなってきて、声が上手くでないけど、とりあえずそれだけ言って立ち上がる。
「待ちなせェ。折角だから、俺の代わりに委員会出ていけィ」
「どこらへんが折角!?っていうかどいて!」
教室の戸の前に立ちふさがる沖田。
鼻づまりで苦しいっつってんのに…!!
「帰らせねーやィ。土方のヤローと2人とかもうストレス溜まってしょうがねぇんでさァ」
「それは俺の台詞だバカ総悟」
そんな言い合いの間で、あたしは目もかなり痒くなってきて、限界です。
「2人の喧嘩に巻き込まないでくれる…?特に、今日は…苦しいんだよ…だから、どけェェ!」
「おっと!」
勢いよく振り回した鞄を間一髪のところでよける沖田。
「ちくしょう、帰らせてよ!もうこれイジメの粋だからね、ふ、ふあっくしょっ!」
叫びとくしゃみの反動でよろりと後ろに一歩下がると、土方君が肩をささえてくれた。
「う、ひ、ひじかたひゅん…」
「言えてねぇぞオイ」
「…まぁ、もう9時になりやすし、今日は此処らへんで勘弁してやりまさァ。いい暇つぶしになりやした」
「そーだな。もうすぐ近藤さんもザキも来るだろうし。じゃあ、気をつけて帰れよ」
「うんそうするわ。沖田、アンタ花粉症おさまったらおぼえてなさいよ」
「何で俺だけなんでさァ」
ぶーぶー、と文句を言う沖田の横を通り抜けて教室を出る。
そして階段を駆け下りて、鞄からマフラーを取り出して鼻と口を覆って家に帰りました。
くそう、いつか、沖田をぎゃふんといわせてやる…!!
その前に、早くおさまらないかなぁ…花粉症…。
が帰ってから、教室に残った2人は窓辺で外を見ていた。
「、気付いてねーんでしょうかねィ」
「気付いてないだろうな」
「あんなに目ェとろんってさせて、顔ほんのり赤く染めて、そんで「ちょっとお前黙れ」
「…土方さん顔赤いですぜィ。うっわーこのムッツリ!」
「うるっせぇんだよ黙れっつってんだろうがーー!!」
花粉症の女
(っていうかもうあいつらまとめて花粉症になればいいと思う。特に沖田ァァ!!)
あとがき
お題が花粉症っていう時点で甘いのは無理だと判断しましたのでギャグに変更!(ぁ
2007/3/14