休みも終わってまた一週間がはじまる。

今日も朝から3年Z組は賑やかです。

 

 

ー!おはようアルーっ!」

「おはようちゃん」

「おはよう神楽ちゃん妙ちゃん!」

ばたばたと走ってくる神楽ちゃんと、その後ろから歩いてくる妙ちゃん。

 

 

そしてばしんっとあたしの机に雑誌を広げる。

、コレ見るネ!」

「うん?何…?」

神楽ちゃんはばしばしと雑誌の記事を叩く。

 

「『夏といえば肝試し!スポットご案内』…?」

「そうヨ!今度遊びに行ってみるネ!」

ぴょんぴょんと飛び跳ねながら言う。

「でもこういうところはあんまり興味本位で行っちゃ駄目よね」

「うんうん。それに…ちょっと…」

さらっと目を通してみたけど、かなり本格的っぽい。森とか洞窟とか。近所にこんなところあったんだ…。

 

 

「何でィ、怖いのかィ

後ろから雑誌を見つつ声をかけてきたのは沖田。何気に片手にジャンプを持って登場。

「別に怖いわけじゃ…」

「お妙さぁぁん!!俺がしっかり守りますからねぇぇぇ!!」

「うるさいわよゴリラ。呪われてきなさい」

妙ちゃんの横で叫ぶ近藤君。そしてスパッと笑顔で吐き捨てる妙ちゃん。

ほぼ毎日見てる光景だけど、何か飽きないんだよね。

 

 

 

「皆怖がりアルな。大勢で行けば大丈夫ヨ!」

笑顔で言う神楽ちゃん。遠足気分なんだろうなぁ。

「そういう問題じゃねーだろうが」

「土方さんは怖いから行きたくないんですよねィ」

「っ、怖くねーよ!!」

いつの間にかあたしの席の周りは人だらけになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーと、お前らさぁ、いい加減俺の存在に気付いてくれない?」

人を掻き分けて顔を出したのは銀八先生。

「もうホームルーム半分くらい終わってるんですけどぉー」

「どうせ何もしないじゃないですか」

さりげなく新八君のツッコミが入る。…あれ、いつの間にいたんだろ。

 

 

「肝試しスポット…?」

「どーせ皆暇なんだから今度の休みにでも行くネ!先生も参加ヨ!」

却下だコノヤロー。俺だってなぁ、ほら、一応忙しいんだから」

ビシッと言い捨てる銀八先生。

 

「あら、実は怖いんじゃないかしら」

 

にこにこと笑いながら言う妙ちゃん。逆にちょっと引きつる銀八先生。

「…怖くねーっつーの」

「明らかに声のトーン落ちてますけど先生」

 

 

「とにかく、雑誌は没収!学校終わったら職員室まで取りに来い」

ひょいっと雑誌を持ち上げる。

「あと沖田。お前のソレもな」

「待ってくだせェ。まだ半分しか読めてねーんで」

さっとジャンプを背中に隠す沖田。

 

「っつーかさっさと金返せ総悟」

「土方さんの金は俺の金でさァ」

「何だよそのジャイアニズム!!」

がたんっと音を立ててイスから立ち上がる土方君。

「っていうか貸さなきゃいいじゃん」

「…貸してねぇ、勝手に借りてくんだよアイツは。俺は許可してねぇ!」

そりゃきっと元から返す気がないんだよ!気付け土方君!

 

 

 

 

土方君が沖田を追い掛け回してるうちに銀八先生はちゃっかりジャンプも没収していた。

「うーっし、これで今週分のジャンプ代が浮いたな」

「今教師にあるまじき発言が聞こえたんですけど」

「…細かいことを気にするな。んじゃホームルーム終了ー。ちゃんと授業うけとけよー」

 

 

 

それだけ言ってガラガラ戸を開けて出て行く先生。

「ふふ、どうなるかしらね肝試し」

「妙ちゃんは肝試しやりたいの?やりたくないの?」

「私はやりたいヨ!あの記事がガセかどうか確かめたいアル!

そ っ ち か !

 

 

 

 

 

 

 

 

 

没収


(肝試しか…いやいやいや。やっぱり駄目だ。別に怖くねーけど。うん、怖いわけじゃねーけど。)


 

 

 

 

 

 

 

あとがき

夢じゃない…ですよね…!しかもお題に添えてないですよね(痛

とりあえず日曜日への付箋みたいな。クラス団欒みたいな。

出てきてない人もいますけどね!うぐぅ、すみません;

2007/09/25